いま
東京港の沖合で
橋の建設が進んでいる。
この橋、明石海峡大橋に比べたらまるで小さい。
関東でも横浜ベイブリッジのほうがスケール感あるし、
構造が近いものでもすでにある大阪の港大橋のほうが大きい。
橋だけを見ると、また日本にひとつ大橋がふえた程度にみえるかもしれない。
でも、この橋の恐ろしさは立地にある。
埋め立て地どうしを結んでいて、片側の陸地が若洲、もう片側が中央防波堤外側埋め立て地。
東京都心からレインボーブリッジを渡った対岸にお台場の埋め立て地があって、その先にコンテナ埠頭があって、そこから海底トンネルを越えたところにある中央防波堤内側埋め立て地の、もうひとつ沖が中央防波堤外側埋め立て地。
若洲にしても、もとあった海岸線からの距離は同じくらい遠い。
そんな遠い空白地帯に、橋が建設される。
現場に行くと、海の中に橋脚がそびえて一列に並んでいる様子が見られる。

写真は若洲側から橋を撮ったもの。
右に写っているのが東京港の東防波堤で、それより画面左にかけては港の人工物は何もない。
遮られずに海面を渡ってきた風が白い波をつくっていた。
羽田に降りる飛行機が旋回しながら高度を下げてゆくのも見える。
ここに橋ができると臨海部の物流が円滑になるらしい。
港をショートカットできるから確かのそうだろうけれど、いまだって東京の臨海部には首都高速湾岸線と東京湾岸道路という、あわせると幅100mある立派な道路が通っている。
それでも湾岸道路じゃ足りないから臨海道路という話になっている。
かつて、東京の港はお江戸日本橋あたりだった。
20世紀はじめには港の機能は竹芝あたりにうつり、高度成長期にはさらに南下して大井あたりが港になった。
20世紀の終わりには対岸の人工島が港として整備された。
そしていま拡大した街にその人工島まで取り込まれて、またもうひとつ沖へ、港が移動しつつある。

東防波堤から都心方面を見た。
シルエットになっている超高層ビルが海岸線だった時代があって時が流れて、カメラのある場所よりもうひとつ沖で、道路工事が進んでいる。
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