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戯れたい

I LOVE GEOGRAPHY
テオ・ヤンセン展
ビーチアニマルだっけ?
下のビデオに興味を持って、東京近郊に住んでるなら
日比谷で実物が展示されてるから見に行っておいたほうがいい。絶対に見に行くべき。

作者は風の強い砂浜でずっと活動する(歩行する)装置を作ろうとしている。
素材はプラスチックパイプとビニールチューブとペットボトルくらいの単純なもので、でもその装置は風や水から自分を守るしくみを備えている。



19年をかけてもまだ目標は達成されていないのだけど、会場では19年をかけた進化の跡をたどれるようになっている。展示品を見て回ると、砂浜で自立すること、移動すること、障害物を避けること、そんなふうに生きながらえるための機能が次第に獲得されていくさまが見てとれる。

素材も目的もシンプルなだけに、一連の作品には生物の進化の歴史を思い起こさせるものがある。
でも倫理的に忌避される生命操作からは程遠いし
会場内はものづくりの根源的なよろこびに満ちあふれてた。

純粋に、本能的に、目を輝かせられる対象物が待ってるよ。

展覧会は2009年4月12日まで。見に行くなら土日祝日、Animaris Modulariusの動作のデモンストレーションがあるときじゃないともったいないから、予定を立てるなら注意を。
| 感想文 | 23:00 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
プラネテス2巻
自分の活動限界を知りたいんです
どこまでが私の守備範囲なのか
どこまでが私のクチ出し可能な世界なのか


月が核融合のためのヘリウム採掘地になって月面に都市が築かれている時代、
宇宙飛行士になった理由をたずねられたある登場人物の
これが彼女が登場して最初のうけこたえ。

世が世なら自分も上のような言葉を胸に秘めて
宇宙飛行士のはしくれを目指してたもしれないと思う。
現に、宇宙がそれほど魅力的には映らないこの環境で
宇宙に似た別の対象、人口が膨張した社会の姿に惹きつけられてるし。

人の世の中と宇宙はよく似てる。
どちらもとんでもなく広大でとんでもなく複雑怪奇で
人が手なずけられるようなものじゃないでしょう?
あがいても口出しできない。

けれどもそれが生活を成りたたせる一要素になってしまうと
そのメカニズムを知らないでいては
なにかあったとき、なす術もなく簡単に吹き飛ばされるしかない。

だから何とか、自分のどうにかできる範囲はどうにかできるように
あらかじめあがいておきたいんです。

自分としては。

この台詞を口にしたあと彼女は愛を説いて
全体として愛が生きるがどうこうをテーマにしてる作品の
その中でも特別な役回りを担っていくんだけど。

自分の活動限界を思い知ったあと、
封じ込められた領域の中でなにかしらしがみつく対象をみつけようとする
結果が宗教であり愛、じゃないんですね?
あってくれたなら素直に理解できるんだけど。

でもそうじゃないんでしょう?
冒頭の台詞が、作品における愛の化身から発せられていて
その彼女が平凡な日常を甘受するのではなく
わざわざ宇宙に出てきてるってことは。

なんとかまともに人間になりたいんで、
これはいい教科書ですね。
| 感想文 | 19:18 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
ウィーン、オーストリア
訪れたのは10日ほど前。

ドナウ川のほとりに発展した都市で
中央ヨーロッパの交通の要衝。
19世紀文化の中心地、音楽の都。
20世紀を通して人口の減少した唯一つの100万都市。

おそらく世界で最も強く19世紀文化の色合いを残している都市で、
2度の大戦のことを考える必要があるけれども
旅人には、あらゆる建物が歴史的建造物のように思えた。
あまりにも日本とかけ離れてる。

深くは知らないけど、街のつくりが、豊か。
そして経済的にも、2005年のデータで、一人あたりGDPが日本より上な。
ドイツ語圏とはいえ、働くのに忙しいふうでもなかったし
小規模集落といくつかの都市しかない国だろうのに余裕たっぷり。

どこに、その力学を見出せばよかったのか、いまだに
それが理解できてないし、だからこそ興味をそそられてる。

EUの東方拡大にともなった将来性が期待されていて、
中欧の核として、それほど破壊的でない規模でないにしろ
人口流入が予想されるしそれは既にはじまっている。
つまり、ここは21世紀的な都市でもあるわけで。

輸送手段の充実も図られてるところだし。
なんとも魅力的じゃないですか。
| 感想文 | 07:51 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
攻殻機動隊STAND ALONE COMPLEX Solid State Society
S.A.C.の第3弾もまた相変わらず相当にクオリティは高い。
楽しませてもらいました。

攻殻機動隊が登場した頃ってきっと、
ネットに対する予感があって、それが作品になったのだろう。

原作の連載開始から17年後の、シリーズ最新作。
サイバーパンクの小道具・大道具をそのままで
児童虐待と独居老人まで語れるようになってんるだから、社会は進んだ。

世の中のあらゆるものがその中に取り込まれて、
ネットは広大なんですね。
そういった意味で、時代を色濃く反映した作品に仕上がっていて。

凄いわ、これ。
| 感想文 | 22:08 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
人体 失敗の進化史
おもしろい文章を書く人がいるものだ。

解剖科学に取り組んでる著者が、ヒトの体について記した本。

カンブリア紀からの5億年の歴史は、化石に、またいまを生きる体の中に、刻まれている。
それを見つめたとき現れるのは、生命がその場しのぎの設計変更をを繰り返し進化してきた事実。
例えば骨はもともとリン酸カルシウムを貯蔵するためのものだった。
それを流用して、体を支える梁ができあがっている。
酸素を空気から取り入れるため浮き袋が肺に変わり、
肺で効率よくガス交換を行うためのポンプの役割を心臓に求めた結果、左右非対称の血管がうまれた。

進化は緩やかで、その間じゅうでその環境に適応した設計を持たなければ今まで生き延びられなかった生物の
いびつで秀でた道のりの結晶としての人体。
完全であるとか美しいといった評価を無理にくだすよりはまず、
その存在をねぎらっておきたい心境になる。

作中では現在に至る生物のデザインのあり方を工業製品の設計と比較して
工業製品のように0から理想形を求めることはできないのだと説明される。
確かにそうかもしれない。
けれど、人間がデザインするものの大部分もまた、生物の設計と同じ、過去の資産をもとにしたその場しのぎな気がする。
ならば人体は偉大なデザインの教科書のような。

設計図の変更は積み重ねられ、今の人間が現れるようになった。
二足歩行を行い、器用な手と巨大な脳をもった生き物。
彼らは文明をつくり、自らの設計変更を、進化史にない急激な速さで進めようとする。
その速度に、ヒトの体がついていけない。
これについてもいくつかの実例があげられていてそれぞれ興味深いけれど、つまり、
我々は行き詰った失敗作なのだ。

そして著者はいう。
私が心から愛でておきたいのは、自分たちが失敗作であることに気づくような動物を生み出してしまうほど、身体の設計変更には、無限に近い可能性が秘められているということだ。


おもしろい。
序章と終章とで解剖の重要性の主張と、文化を壊す拝金主義の批判が行われているために、まとまりが損なわれてしまっていることだけが残念。

*2006年12月31日 文章の細かい部分を変更
| 感想文 | 00:35 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
発想する会社!
発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法

デザインカンパニー、IDEOのやり方が綴られた本。
例えばそれは究極のブレーンストーミングであったり
使えそうな素材をいっぱい集めたTech Boxであったり
イノベーションを促進する風土だったりものの捉えかただったりしたもの。

それはそれとして、
この本にはわくわくさせられるものがある。
PixarだとかGoogleだとかいった一部の優秀で革新的な集団のオフィスを紹介されたときに感じるものとまさに同一な、
つまりまるでおもちゃ箱のような労働環境への憧れ。

彼らも彼ら自身が魅力的だということを理解したうえで、
それを実現する方法を指南するような顔を見せてるんだろうけども。

でも、ばら撒かれたところでそれは実現可能な理想なのかなぁ?

彼らにできているとしても
そりゃ彼らは優秀だから。
伝えられているのは穿った見方をすればそれで片付けられてしまう現象で。
その汎用性にしっかりした裏づけはない。

この類の話を聞くたびに思うのは、
それをどこまで適用可能か明らかにしたほうが全体の利益になるだろうなと。
密林に鉄道を敷く肉体労働者のひとりひとりがイノベーティブになって、
なにか上手くいくのかどうかどうも怪しいし。
破綻をひき起こさないとも限らない。

憧れなんだ。
憧れるだけでは何が変わるわけでもないんだ。
夢のようなやり方を現実的なものとして語れるようにするために、
その性質を見究めるような活動がされてるならそっちを知りたい。
| 感想文 | 03:01 | comments(0) | trackbacks(1) | - | - |
日本伝統工芸展
第五十三回日本伝統工芸展が全国を巡回中ですが

これが日本だとか
これが日本の伝統だとか
これが日本の工芸だとか
言われると困惑してしまう。

 我が国には、世界に卓絶する工芸の伝統がある。伝統は、生きて流れているもので、永遠に変わらない本質を持ちながら、一瞬もとどまることのないのが本来の姿である。

で、会場に大挙して陳列されたその日本の伝統の工芸は
日本人な私の暮らしの、一体どこにいきづいているものだと?
そんなことをおもった。

掲げられた制度も理念もありだろう。
ただその成果の見せ方として、展示されたものが国の文化だというなら
どうしようもなく空虚。
それが根ざしているはずの風土が見えない。

怖さを感じるくらいに、繋がれない。

出展された工芸品のすばらしさを否定するわけではない。
その美しさの始まりをおもうと鳥肌が立つ。けれども
日本の伝統工芸の行く先に望むことはないかも。
| 感想文 | 00:34 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
学歴社会のローカル・トラック
学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学

奥出雲のある高校で進学クラスの3年生だった学生がそれぞれ
24歳になるまでの6年で歩んだ道筋の調査をもとに、
地方における、地域社会の教育へのまなざしを描き出した作品。

この本が可視化したのは、ひとつは、
地域の、進学先としていわゆる実学を好むとかいった方向で
自身を担う人材を再生産しようとする性質。

あと、使える専門性を得た人材を受け入れようとする枠組みなんかも。

勉強のできる学生を育成しても、能力を活かせる職が絶対的に不足した、
いくらかの専門性のためには土地を離れて学ぶことが不可欠であるような、
そんな土地での話。

食糧を十分に確保できるだけの基盤があってはじめて
工業とかサービス業とかが安定しうるわけだし、
人口規模やら産業構成やらで
限られた大都市にしか抱え込めない職種は当然存在する。

そんな職業の人間をつくっても、彼は地域の未来を担わない。
だから、地域がそんな進路を好まないのも至極自然な帰結。
まったく当然なこと。

前述の調査を通して、その自然な帰結をありありと描いた点でこの本は凄い。
感じてはいても言葉にならない類の事実だろうから。

で、改めて指摘されたうえで考えると、
そういう類の職業が、自分の手の届きそうなところにかなり転がっていて。
それを生業として選んだ場合には彼は、
限られた大都市にしか認められないわけだ。
とても限られた土地でしか、生活できないわけだ。

そんな彼の目から眺めた地方都市とか、農村とかどんなふうだろうか。
あるいは彼は、そういう土地を意識できるのか?
移動手段の発達とかで小さくなった世界で、
実際のところリアルにしうる土地の割合はいうほど多くはない?
そこはかとない拒絶が世界の仕組みに組み込まれたのだろうか?

逆から捉えることもできる。
実学を好むとか、そういった傾向を持つ地域で
暗黙のうちにか制度として人材の取り込み方法が確立されている。
じゃぁそんな土地が、彼の存在を意識できるのか?

それが事実だとしても嫌かな。
両者はどれだけ、繋がっていられる?

全然まとまらないけどそんな感じで。
さまざまなレベルでの断絶がきっと生じているはずで、
その断絶はどのようなものだったか
埋められるのか、とり戻せるか
土地という概念に縛られた人間はおもうわけです。


* 2006年10月24日 追記
H-Yamaguchi.net: 教育が就業機会を奪うことがある、という話
に書かれてることが、多分これと関連してる。
| 感想文 | 01:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |