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学歴社会のローカル・トラック
学歴社会のローカル・トラック―地方からの大学進学

奥出雲のある高校で進学クラスの3年生だった学生がそれぞれ
24歳になるまでの6年で歩んだ道筋の調査をもとに、
地方における、地域社会の教育へのまなざしを描き出した作品。

この本が可視化したのは、ひとつは、
地域の、進学先としていわゆる実学を好むとかいった方向で
自身を担う人材を再生産しようとする性質。

あと、使える専門性を得た人材を受け入れようとする枠組みなんかも。

勉強のできる学生を育成しても、能力を活かせる職が絶対的に不足した、
いくらかの専門性のためには土地を離れて学ぶことが不可欠であるような、
そんな土地での話。

食糧を十分に確保できるだけの基盤があってはじめて
工業とかサービス業とかが安定しうるわけだし、
人口規模やら産業構成やらで
限られた大都市にしか抱え込めない職種は当然存在する。

そんな職業の人間をつくっても、彼は地域の未来を担わない。
だから、地域がそんな進路を好まないのも至極自然な帰結。
まったく当然なこと。

前述の調査を通して、その自然な帰結をありありと描いた点でこの本は凄い。
感じてはいても言葉にならない類の事実だろうから。

で、改めて指摘されたうえで考えると、
そういう類の職業が、自分の手の届きそうなところにかなり転がっていて。
それを生業として選んだ場合には彼は、
限られた大都市にしか認められないわけだ。
とても限られた土地でしか、生活できないわけだ。

そんな彼の目から眺めた地方都市とか、農村とかどんなふうだろうか。
あるいは彼は、そういう土地を意識できるのか?
移動手段の発達とかで小さくなった世界で、
実際のところリアルにしうる土地の割合はいうほど多くはない?
そこはかとない拒絶が世界の仕組みに組み込まれたのだろうか?

逆から捉えることもできる。
実学を好むとか、そういった傾向を持つ地域で
暗黙のうちにか制度として人材の取り込み方法が確立されている。
じゃぁそんな土地が、彼の存在を意識できるのか?

それが事実だとしても嫌かな。
両者はどれだけ、繋がっていられる?

全然まとまらないけどそんな感じで。
さまざまなレベルでの断絶がきっと生じているはずで、
その断絶はどのようなものだったか
埋められるのか、とり戻せるか
土地という概念に縛られた人間はおもうわけです。


* 2006年10月24日 追記
H-Yamaguchi.net: 教育が就業機会を奪うことがある、という話
に書かれてることが、多分これと関連してる。
| 感想文 | 01:58 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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